入社前に「面談」があるということは

本当は匿名ダイアリーで愚痴ろうとしたけど、あまりにも長いしまとまらないのでやめた。
匿名ダイアリー以外のサービスを使った事がないので、この愚痴もどこかのページを埋めるようなことがあったら申し訳なさしかない。

 

自分がやりたいことできるぞ〜!と思った会社、入社前に「面談」があるよって事で都内某所に呼び出されたお話。
結論から言うと、その会社はやめた方が良い。


この時点である程度の人はなんだか分かってると思うけど、その頃の自分は何も知らなかった。
「面談」は「面接」だと思っていた。なんで入社が決まったのに、「面談」があるんだろう?と思っていた。

 

今でもそうだけど、とにかく馬鹿で無知で考えが浅はかで、入社が決まる事が嬉しくて「なんでだろう?」を無視していた。

 

会社の人と待ち合わせてたら全然知らない人が来て、もしかしてこの人と面談するのかな…?と思ってたら、会社の人が帰ってしまう。いやどこいくねーん!


ああ、タイマンで面談だな!と判断しペコペコしてたら、「移動しましょう!」と言われ、大通りを歩く。
スーツがシワだらけの女性だったので、強く頭に残っている。どうしたらスーツがこんなシワだらけになるんだろう…などと考えていた。

 

途中、まったく知らないスーツの男女と合流した。彼らは全員見知った仲のようだったので、同じ会社の人なんだとわかる。
今思うと、案件の内容すら技術者にまともに伝えられないクソ営業の塊だったなと思う。

 

さらに歩くと、ガラス張りのでかいビルの前にまたもやスーツを着た男女数人が登場。
自分もそこに合流する。なんだこの集団??という気持ちが強くなるも、聞けない。
全員それが「当たり前のこと」のようで、とにかく聞けない。次々と話が進んでいく。

 

「それでは、よろしくお願いします!」と、スーツがしわくちゃな女性は最初に合流した男女二人と一緒に去っていく。
なにが「よろしくお願いします」なのか、分からなかった。
自分がよろしくお願いすんのはアンタだったんじゃないのか?と、戸惑いでいっぱいだった。
ビルの前にいた男女数人のうち、年齢が高そうな男性が「行きましょうか」と、残った全員をビルの中に案内する。
自分以外には、あと3人いた。かわいい女の子2人と、バリバリ仕事をこなすキャリアウーマンのような女性だ。
この人たちは誰なんだろうか?一緒に働く仲間だろうか?一緒に働けたら嬉しいな。

 

ビルの中に入り、男性は受付に向かった。
自分はそれをぼんやりと眺めたり、持たされたスキルシートとやらを眺めたりした。
履歴書とは違う、スキルシートだ。なかなかイカしてるテンプレートを使ってるなと思った。
戻ってきた男性に首に下げる入館カードを渡され、無事中に入る。

 

たくさんの小さい会議スペースの中の、すこしだけ大きめな会議スペースに通された。
中には先客が3人。長机に通され、自分も含めた3人は着席する。
キャリアウーマンと男性は、中にいた3人と名刺交換をしたり、「本日面談させて頂く○○と○○と○○です」などと紹介する。
さっき会ったばかりなのに、さも我が社の社員ですみたいな態度をとってくる。こちらは男性の名前すら知らない。

 

「それでは○○さん。経歴のご説明をお願いします」
自分だ。これは一体なんなんだ。お前と、こいつらはなんなんだ。お前らは、さっきから一体何をお願いしているんだ。
手元にあるのは頼りない経歴のスキルシートと、A4に印刷したペラペラのポートフォリオだ。


スキルシートの内容を、ほぼ読み上げていくだけに近い経歴説明だった。
他の2人も同様に行い、それは終了する。面談の内容はほぼ覚えていない。

終わると、ビルの前で解散となった。
一緒に受けた女の子2人も駅まで道のりが同じという事で、一緒に話しながら駅まで帰ることになる。

もちろん受からなかったし、その後その女の子達とは二度と会わなかった。

 

それから数年、面談をいくつも受けた。持ってこられる面談の内容は、いつも自分のスキルが足りていなかったりミスマッチすぎて吐きそうだ。
実力が足りてなくても受かる事はままあるものの、いい環境になる頃にはプロジェクトが終了し、契約が切れてしまう。

 

面談が受からないのが辛い。なんでこんなにたくさん面談があるんだろう。
なんで自分がやりたかった事はできないんだろう。頑張ってないからか、スキルが足りないからか。

 

そういうものがSESだと気付いたのは去年だった。あまりに辛くて、受かるコツとかないかな。。。と調べたら、出てきた。
最近人身売買とか言われまくってるやつだ。100%そうだとは思わないが、人によっては本当にそうだと思う。特にスキルの無い者にとっては。

 

最初はたくさんのスキルを覚えることができる、いろんな現場を経験できる事が素晴らしかった。
自分の会社じゃないから、人間関係をうまく築けない自分にとっては短期間で去る事ができるという好都合の塊だった。

 

今はどうだろう。

数年働いても、自分は特化したスキルを作れなかった。やった事ない人に比べたら、そりゃ出来るけど、人並みであって強みとは言えない。

 

いろんな現場を経験すると、場所によっては多くの知識を知る事が出来る。これはとても良い。

しかしその現場を離れると、次の面談では使わなくなる事も多々あり、ノウハウが蓄積しない。大企業に入れても、それは「○○で働きました」というネームバリューがつくくらいで、話の種が作れるか作れないか、位でしかない。実力が育つかはまた別だった。


短めのスパンで終わるのは人間関係で悩む自分にとって今でも好都合だと思いつつ、人生で一番良いと思えた現場から離れる時はとても悲しかった。

仕事中おしゃべりなんてとんでもない!と思ってた自分が唯一業務中に笑う事ができた現場は楽しかった。

 

スキルが育つか育たないかは、案件や個人の動き方によって違うと思う。
100%、SESが悪だとは思わない。その働き方があっている人ももちろん居るはずだから。
コードを打つのは楽しかった。作り上げたものが完成したら嬉しかった。

 

ある日面談で「あなたの強みはなんですか?」と言われた時、何も出てこなかった。
本当に何も出てこなくて、苦し紛れに「コードを打つのが早い」と答えた。嘘だ。普通くらいだ。
面接官みたいな質問してくるんじゃねぇよと思いつつ、どんなに考えても強みは出てこない。
スキルもノウハウも中途半端だ。素人に毛がちょろっと生えているくらいじゃないか。絶句した。

35歳になると、もうSESでは案件がほぼないとかも聞いた。
確かに35歳まで、っていう案件はいくつもあった。人手不足と言いながら、年齢にケチつけてくるのでハロワよりタチが悪い。

 

とあるプロジェクトでは、20歳の若い男の子も面談に来ていた。
それが初めての面談だと言うし、スキルを聞いてみるとミスマッチすぎる案件の面談に無理やり放り込まれていて、でも希望に満ち溢れていてちょっと泣きそうになってしまった。

 

SESは、スキルを持った人が動くにはとても良いのではないかと思う。自分に力があるとわかっていれば、様々なものに挑戦しやすいし、仕事の幅も広がるから。

でもスキル不足やミスマッチとわかってて、無理やりねじ込もうとするのはダメだ。精神も自信もボロボロにされていく。自尊心が低いとさらにダメだ。使い物にならないままきっと捨てられる。


上司に相談しても無駄だ。彼らは自分たちの事を人間とは思ってない。金を運んでくる道具だと思っている。面談に受からないと、ゴミを見るような目で見てきたり、迷惑をかけるなと言ってくる。扱いがどんどん雑になる。

 

万が一このクソ長いバカ丸出しな愚痴を、入社前に「面談」があると言われた人が読んでいたら、とりあえず辞めておいた方がいいよと言いたい。

スキルやノウハウが蓄積できないというのもあるけど、それ以上に「自分がやりたかったこと」は、ほぼ出来ないんじゃないかと思うから別の会社を探そう。
やりたい仕事なんて、絶対に取ってきてくれない。自分に実力が無ければ、仕事は取ってこれない。うまいことだけ言って道具をゲットしようとしてるだけだ。

 

もう現場は終了だ。スキルが無い自分もどうするか決めないとならない。